May 16, 2022

ニューロフィードバック(ブレインテック用語解説)

ニューロフィードバック(neurofeedback)とは、測定した脳の活動をリアルタイムで本人にフィードバックし、フィードバックされた信号を手がかりに、本人が自分の脳活動を訓練・制御する手法。

ニューロフィードバックによる脳活動の制御の例

脳波計(EEG)で脳波を測定しながら、α波(脳波のうち8〜12Hzの周波数の脳波)のスペクトル密度を計算し、計算結果をリアルタイムでモニター画面に表示するとする。例えば、モニター画面には横棒を表示し、α波が強くなると棒が上に上がり、α波が弱くなると下に下がるようにする。

脳波を測定されている被験者は、その画面を見ながら、棒が上に上がるように「念じる」。試行錯誤をするうちに、被験者はモニター画面上の棒を上に上げることができるようになる。

棒の高さとα波の強さは比例していたので、被験者は自分のα波を自分で意図的に強めることができるようになったことになる。このように、脳活動を視覚情報や音情報などに変換し、本人にフィードバックすることで、本人が自分の脳活動を変化させられるようになることは、比較的早くから知られていた。

なお、脳活動の測定方法は脳波に限らずfMRI(機能的磁気共鳴画像)やfNIRS(機能的近赤外分光分析法)、MEG(脳磁図)なども使われる。

ニューロフィードバックを用いた研究紹介

さまざまな研究にニューロフィードバックは用いられている。ここではADHD(attention dificit hyperactivity disorder, 注意欠如・多動症)について解説する。

ADHDでは、健常者に比べて低い周波数(δ帯とθ帯)の脳波が多いという報告がある。そこで、δ帯とθ帯の脳波の強さを弱めるように訓練することで、ADHDを治療できないかという研究がある。

他にも、θ帯とβ帯の強さの非が健常者と異なるのでそれを健常者に近づける方法、感覚運動皮質で発生する13〜15Hzの感覚運動リズム(sensorimotor rhythm)と呼ばれる脳波を強めることで健常者に近づける方法、SCP(slow cortical potentials)と呼ばれる脳波を制御する方法などが提案され、効果検証がなされている。

人により脳波の発生状況が異なるため、どの方法が最適なのかを求めて研究が続けられている。

ニューロフィードバックを製品に応用した例

様々な製品にニューロフィードバックが応用されている。

  • 瞑想やストレスの低減
  • ADHDの治療・緩和
  • 集中力を高める
  • 睡眠の質を向上する
  • 認知症の改善
  • 認知機能低下の抑制
  • 認知機能の向上

 

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