June 13, 2022

デジタル療法(digital therapeutics) – ブレインテック用語解説

デジタル療法(digital therapeutics)とは、医療的な有効性が科学的に検証されたスマートフォンアプリやデジタルサービスを指す。これまでの医薬品や医療機器に加えて第3の治療法として期待されている。

うつ病、禁煙、糖尿病、不眠症、薬物依存症などの治療を行うさまざまなアプリが開発されている。脳科学を応用し、認知のゆがみに働きかけ、行動を変えていくことで治療を行う認知行動療法をデジタルアプリとしたブレインテックが比較的多い。

digital therapeuticsという英語に対して、日本語ではデジタル療法、デジタル治療、デジタル治療法などと表記され、コンセンサスが得られた訳語はまだない。

Electroceuticals(電子薬)はデジタル療法とは異なる

似て非なるものとしてelectroceuticalsがある。こちらも正式な日本語訳がまだ存在しないが電気薬学やバイオ電子薬(bioelectronic medicine)という訳語がある。

electroceuticalsは、神経を電気刺激して病気を治療する方法である。

デジタル療法の事例〜ADHD・自閉症を治療する米Akili Interactiveとシオノギ製薬

米Akili社は、UCSF(カリフォルニア大学サンフランシスコ校)の教授らの技術を元に、小児の注意欠陥/多動性障害や自閉スペクトラム症のデジタル療法アプリを開発している。

2019年、シオノギ製薬(塩野義製薬)は、このアプリの日本市場への導入に関し、最大で$105M(約140億円)、さらに販売額に応じたロイヤリティーをAkili社に支払うことを発表した。

デジタル療法の事例〜日本の「保険適用のデジタル薬」第1号 禁煙アプリ

CureAppが開発したニコチン依存症治療アプリ「キュア・アップSC」が2020年に公的医療保険の適用対象として日本で初めて認められた。

CureAppは、禁煙アプリ以外にも高血圧の治療、非アルコール性脂肪肝炎の治療のためのアプリも開発している。

デジタル療法の事例〜腰痛もアプリで治療

東証グロース上場企業であるメディアシークは、腰痛やうつ病、認知症などに対して、ニューロフィードバック技術を用いた治療アプリの開発を進めている。メディアシークは元々はシステムインテグレータであるが、オープンイノベーション型の共同事業としてブレインテックを開発している。

 

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