May 17, 2022
ブレイン・マシン・インターフェース(BMI) – ブレインテック用語解説
ブレイン・マシン・インターフェイス(brain-machine interface, 以下BMI)とは、脳と機械を、感覚器や筋肉などの動きを介さずに直接接続する技術のことである。ブレイン・コンピュータ・インターフェイス(brain-computer interface、BCI)とも言う。考えるだけで接続したロボットアームを動かすといったことに加え、さまざまな応用例がある。
BMIは、脳科学を応用したブレインテックのうち、SF的で人目をひきやすい。しかしSFではなく実際に人が使えるレベルになり始めている。
脳と機械をインターフェイスするための技術
脳と外部機械をつなぐ方法にはさまざまな方法がある。
頭蓋骨をあけ、脳に電極を取り付けて、脳活動を測定する侵襲的な方法がある。このとき使う電極は、脳表面に貼り付けるelectrocorticography(ECoG, 皮質脳波)電極や、皮質に刺すUtahアレイなどがある。他にも、イーロン・マスクが立ち上げたBMI企業Neuralinkが開発しているLINKなど、さまざまな研究機関・企業が製品開発を進めている。
頭蓋骨をあけない非侵襲的な方法として、EEG(脳波計)、fMRI(機能的磁気共鳴画像)、MEG(脳磁図)などがある。
考えるだけで機械を動かす
考えたことを脳活動から読み取り、ロボットアームなどの機械を動かす研究が進められている。
例えば、体を動かす指令を出す脳の運動野の表面にUtahアレイを刺すと、指を動かそう、手を動かそうとしたときの神経細胞の活動を測定することができる。神経細胞の活動のパターンを読み取ることで、ロボットアームを前後左右に動かし、コップをつかむという動作や、画面上のカーソルを動かして文字を入力するといったことができる。
スタンフォード大学の神経工学研究室や、ブラウン大学・マサチューセッツ総合病院などの研究チームなどからなるBrainGateプロジェクトなどが有名である。
文字(アルファベット)を手で書くときのイメージをしたときの神経細胞の活動をデコードして、コンピュータに文字を入力することもできてきている。この研究もスタンフォード大学によって行われた。
脳波を読み取ってドローンを飛ばすおもちゃもBMIである。
脳に情報を書き込む
脳に電極を刺し、電気的に外部の機械と接続すると、脳の活動を読めると同時に、電気刺激を与えることで脳の活動を変えることができる。
脊椎損傷により、首から下の感覚がなくなってしまった人の体性感覚野と呼ばれる部位に電極を埋め込み、外部から電気刺激をした研究がある。この研究では、手の指の位置に相当する部位に埋め込んでおり、電気刺激をする場所を変えることで、人差し指、中指、小指などに触れられている感覚を与えることに成功している。
脳を読み出すことと、脳に書き込むことの双方向の技術を用いることで、考えた通りにロボットアームをあやつり、ロボットアームが触れたものの感覚を脳に戻すことで、本人にとってより自然に機械を扱うことができるようになる。
脳-脳インターフェイス(brain-brain interface)
脳から読み出し、脳に書き込めるならば、ある人の脳から別の人の脳に情報を直接伝える、つまりテレパシーができるはずである。
実際にそのような研究は存在する。この研究では、画面上にテトリスのようなブロックが表示されており、ブロックを回転させるか回転させないかを2択で選ぶ必要がある。最初に、被験者の脳波から回転する・しないの意志を読み取る。次に、その意志を別の人の脳に直接書き込むことで伝え、受け取った人は最終的に回転する・しないを意思決定する。脳に書き込むためにTMS(transcranial magnetic stimulation, 経頭蓋磁気刺激法)という技術が使われている。
自分の脳活動を書き換えるニューロフィードバック(neurofeedback)
読み取った脳活動を色や形などの視覚情報や音などの聴覚情報に変換し、本人が認識できる形で本人にフィードバックをすると、それを手がかりにして脳活動を本人が変えることができるようになる。
これをニューロフィードバックといい、BMIの応用方法の一つとなっている。疾患の治療を目的とした研究が進められており、応用製品も販売されている。
ブレイン・マシン・インターフェイス(brain-machine interface, 以下BMI)とは、脳と機械を、感覚器や筋肉などの動きを介さずに直接接続する技術のことである。ブレイン・コンピュータ・インターフェイス(brain-computer interface、BCI)とも言う。考えるだけで接続したロボットアームを動かすといったことに加え、さまざまな応用例がある。
BMIは、脳科学を応用したブレインテックのうち、SF的で人目をひきやすい。しかしSFではなく実際に人が使えるレベルになり始めている。
脳と機械をインターフェイスするための技術
脳と外部機械をつなぐ方法にはさまざまな方法がある。
頭蓋骨をあけ、脳に電極を取り付けて、脳活動を測定する侵襲的な方法がある。このとき使う電極は、脳表面に貼り付けるelectrocorticography(ECoG, 皮質脳波)電極や、皮質に刺すUtahアレイなどがある。他にも、イーロン・マスクが立ち上げたBMI企業Neuralinkが開発しているLINKなど、さまざまな研究機関・企業が製品開発を進めている。
頭蓋骨をあけない非侵襲的な方法として、EEG(脳波計)、fMRI(機能的磁気共鳴画像)、MEG(脳磁図)などがある。
考えるだけで機械を動かす
考えたことを脳活動から読み取り、ロボットアームなどの機械を動かす研究が進められている。
例えば、体を動かす指令を出す脳の運動野の表面にUtahアレイを刺すと、指を動かそう、手を動かそうとしたときの神経細胞の活動を測定することができる。神経細胞の活動のパターンを読み取ることで、ロボットアームを前後左右に動かし、コップをつかむという動作や、画面上のカーソルを動かして文字を入力するといったことができる。
スタンフォード大学の神経工学研究室や、ブラウン大学・マサチューセッツ総合病院などの研究チームなどからなるBrainGateプロジェクトなどが有名である。
文字(アルファベット)を手で書くときのイメージをしたときの神経細胞の活動をデコードして、コンピュータに文字を入力することもできてきている。この研究もスタンフォード大学によって行われた。
脳波を読み取ってドローンを飛ばすおもちゃもBMIである。
脳に情報を書き込む
脳に電極を刺し、電気的に外部の機械と接続すると、脳の活動を読めると同時に、電気刺激を与えることで脳の活動を変えることができる。
脊椎損傷により、首から下の感覚がなくなってしまった人の体性感覚野と呼ばれる部位に電極を埋め込み、外部から電気刺激をした研究がある。この研究では、手の指の位置に相当する部位に埋め込んでおり、電気刺激をする場所を変えることで、人差し指、中指、小指などに触れられている感覚を与えることに成功している。
脳を読み出すことと、脳に書き込むことの双方向の技術を用いることで、考えた通りにロボットアームをあやつり、ロボットアームが触れたものの感覚を脳に戻すことで、本人にとってより自然に機械を扱うことができるようになる。
脳-脳インターフェイス(brain-brain interface)
脳から読み出し、脳に書き込めるならば、ある人の脳から別の人の脳に情報を直接伝える、つまりテレパシーができるはずである。
実際にそのような研究は存在する。この研究では、画面上にテトリスのようなブロックが表示されており、ブロックを回転させるか回転させないかを2択で選ぶ必要がある。最初に、被験者の脳波から回転する・しないの意志を読み取る。次に、その意志を別の人の脳に直接書き込むことで伝え、受け取った人は最終的に回転する・しないを意思決定する。脳に書き込むためにTMS(transcranial magnetic stimulation, 経頭蓋磁気刺激法)という技術が使われている。
自分の脳活動を書き換えるニューロフィードバック(neurofeedback)
読み取った脳活動を色や形などの視覚情報や音などの聴覚情報に変換し、本人が認識できる形で本人にフィードバックをすると、それを手がかりにして脳活動を本人が変えることができるようになる。
これをニューロフィードバックといい、BMIの応用方法の一つとなっている。疾患の治療を目的とした研究が進められており、応用製品も販売されている。