October 18, 2018

[最新研究紹介]楽器の練習は読解や語学に関係する子供の聴覚機能を改善する

社会経済的格差に左右されている子供の語学・学習能力
アメリカでは家庭の社会経済的状態が低いと、住む場所が騒音が大きく、また子供が豊かな語彙や多くの言葉に触れる機会が少ないために、聴覚の神経活動の発達が不充分になり、その結果音を聞き取る能力の発達が遅れ、読み取り能力やワーキングメモリ能力の低下につながっている可能性がある。

これらの子供の聴覚機能を高め、ひいては語学能力を高める方法はあるのだろうか。

児童期に楽器の練習をすることで、聴覚機能を高めることができる

6〜9歳の子供を、以下の2つのグループにランダムに振り分ける

  • 楽器の練習を2年間するグループ
  • 1年間は楽器の練習をせず、1年後に練習を開始し、1年間練習するグループ

楽器の練習は、ロサンゼルスのハーモニープロジェクトに参加することで行う。
ハーモニープロジェクトは、学習や社会問題のリスクが高い、収入が低い家庭の子供たちに無料の音楽教育を提供する非営利のプログラムである。

2つのグループの子供たちの聴性脳幹反応を、楽器の練習前、1年後、2年後の時点で計測した。
聴性脳幹反応は、[ba]と[ga]の合成音を聞かせて計測した。

分析の結果、2年間楽器を練習したグループでは、[ba]と[ga]の音節を区別する聴性脳幹反応が顕著に改善した。
一方で、1年間だけ練習したグループでは改善は見られなかった。
また、2つのグループをまとめて、楽器の練習をした時間と聴性脳幹反応の改善度合いの相関を計算すると、練習の時間が長いほど聴性脳幹反応の改善度合いが高かった。

子供の語学・学習能力を伸ばすために、楽器の練習が有効かもしれない

この研究では、児童期に楽器の練習をすることで、聴覚機能の一部を高めることができることが示された。
一方で、冒頭で示したように、聴覚の神経活動の発達が不充分なため、音を聞き取る能力が低く、その結果読み取り能力やワーキングメモリが低い可能性がある。
この2つを合わせると、児童期に楽器の練習をすることが、聴覚機能を改善し、ひいては語学能力を高めることにつながるかもしれない。

社会経済的格差に左右されている子供の語学・学習能力
アメリカでは家庭の社会経済的状態が低いと、住む場所が騒音が大きく、また子供が豊かな語彙や多くの言葉に触れる機会が少ないために、聴覚の神経活動の発達が不充分になり、その結果音を聞き取る能力の発達が遅れ、読み取り能力やワーキングメモリ能力の低下につながっている可能性がある。

これらの子供の聴覚機能を高め、ひいては語学能力を高める方法はあるのだろうか。

児童期に楽器の練習をすることで、聴覚機能を高めることができる

6〜9歳の子供を、以下の2つのグループにランダムに振り分ける

  • 楽器の練習を2年間するグループ
  • 1年間は楽器の練習をせず、1年後に練習を開始し、1年間練習するグループ

楽器の練習は、ロサンゼルスのハーモニープロジェクトに参加することで行う。
ハーモニープロジェクトは、学習や社会問題のリスクが高い、収入が低い家庭の子供たちに無料の音楽教育を提供する非営利のプログラムである。

2つのグループの子供たちの聴性脳幹反応を、楽器の練習前、1年後、2年後の時点で計測した。
聴性脳幹反応は、[ba]と[ga]の合成音を聞かせて計測した。

分析の結果、2年間楽器を練習したグループでは、[ba]と[ga]の音節を区別する聴性脳幹反応が顕著に改善した。
一方で、1年間だけ練習したグループでは改善は見られなかった。
また、2つのグループをまとめて、楽器の練習をした時間と聴性脳幹反応の改善度合いの相関を計算すると、練習の時間が長いほど聴性脳幹反応の改善度合いが高かった。

子供の語学・学習能力を伸ばすために、楽器の練習が有効かもしれない

この研究では、児童期に楽器の練習をすることで、聴覚機能の一部を高めることができることが示された。
一方で、冒頭で示したように、聴覚の神経活動の発達が不充分なため、音を聞き取る能力が低く、その結果読み取り能力やワーキングメモリが低い可能性がある。
この2つを合わせると、児童期に楽器の練習をすることが、聴覚機能を改善し、ひいては語学能力を高めることにつながるかもしれない。

References

Music Enrichment Programs Improve the Neural Encoding of Speech in At-Risk Children. N. Kraus, J Neurosci, 2017

References

Music Enrichment Programs Improve the Neural Encoding of Speech in At-Risk Children. N. Kraus, J Neurosci, 2017