May 27, 2022

磁場をあびると元気になる

(画像はdoi:10.1007/s00330-022-08677-8より)

強い静磁場をあびることで、気分をよくし、記憶能力を高められることがマウスで発見されました。

強磁場をマウスにかけて、行動や認知機能などへの影響を調べる実験が行われた

MRIは生体内部を調べる方法として便利です。磁界を強くするほど空間分解能が高くなるため、マウスなどの齧歯類を対象にした実験では、最大で21T(テスラ)といった強磁場の装置が用いられることもあります。

しかし、20T以上の強磁場をかけたときの安全性についての研究はまだ少ないため、マウスを3.5T〜23Tの強磁場に2時間、あるいはさらに強い7T〜33Tの強磁場に1時間おき、その後の行動を調査する実験が行われました。

マウスの不安を緩和し、社会的・空間的記憶を改善

安全性という点では、マウスの運動量、不安度、社会的行動、記憶に対する長期的なネガティブな影響は見られませんでした。むしろ、行動の分析から、マウスの不安が減少したことが分かりました。また、社会的・空間的記憶に対するポジティブな影響も見られました。

記憶に対するポジティブな影響は、脳の海馬においてカルシウム/カルモジュリン依存性プロテインキナーゼIIの発現が増加したことと関連している可能性があります。

研究は下記よりご覧ください。
Short- and long-term effects of 3.5-23.0 Tesla ultra-high magnetic fields on mice behaviour

静磁場を使ったブレインテック新規事業の可能性

磁場は生体透過性が高く、3Tなどの強い磁場でも安全であるとされ、人間を対象にしたMRIとして7Tの装置も使われています。

人間にもよい影響があるならば、元気になるためにMRIに入るという、脳科学を応用した新しいサービスを作れるかもしれませんね。

 

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