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他人が何かを食べているときの咀嚼音などを聞くと、不快になったり怒りを覚えるミソフォニア(misophonia)という症状があるが、その原因の一つとして脳の部位間の結合が通常より強いことが示唆された。

他人が噛んだり、息をするなどしたときの音(不愉快になる音)を聞いた時のミソフォニアの人の脳活動を計測すると、顔、口、喉の運動をつかさどる腹側前運動皮質の領域と、音を処理する聴覚野との接続が通常より強いことが分かった。

面白いのは、ミソフォニアの人には視覚をつかさどる脳の領域と、運動をつかさどる領域の間にも同じようなパターンの接続が見られ、音だけでなく視覚からもミソフォニアが起こることを反映していると想定される。

この、聴覚野と運動領域、また視覚野と運動領域との接続により、「ミラーシステム」と呼ばれるものを活性化していると考えられる。
したがって、ミソフォニアの人は、ミラーシステムが通常の人よりも過剰に働くことで、他人が発した音が自分の体の中に侵入してくるような感覚に陥っているのではないかと研究者は考えている。

ミソフォニアの人の中には、不快な音を聞いた時に、その動作を真似ることで症状が軽減することがある。それは、コントロール感を取り戻せたことによるものかもしれない。

Sukhbinder Kumar, Pradeep Dheerendra, Mercede Erfanian, Ester Benzaquén, William Sedley, Phillip E. Gander, Meher Lad, Doris E. Bamiou, Timothy D. Griffiths. The motor basis for misophonia. Journal of Neuroscience 21 May 2021, JN-RM-0261-21; DOI: 10.1523/JNEUROSCI.0261-21.2021

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