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生まれつき難聴ぎみの子供に特殊な音を聴かせることで、音を聞き取る能力の低下を抑えたり回復できるかもしれない

遺伝や発達に問題があるために、生まれつき内耳(蝸牛や有毛細胞)が正常に機能しておらず、音の振動を神経信号として取り出すことが難しくなる、先天性感音難聴という症状がある。

生まれつき音を聞き取りづらいため、言葉の発達に大きな遅れをもたらすので、早期の発見と対策が重要である。

これまでの研究で、広帯域の周波数を含む音(ホワイトノイズのような音)を早期に聞くことで、進行する先天性感音難聴への影響を抑えられることが分かっている。しかし、先天性感音難聴は、標準的な聴覚検査では検査されない、音の時間的処理力の低下も伴う。

ロチェスター大学の研究者らによる新しい研究では、広帯域の周波数を含む音に工夫を加えることで、音の時間的処理能力も改善できることが示された。
この研究では、遺伝子を操作して、生まれた直後から内耳の有毛細胞が死んでいくマウスを作った。このマウスは生後6ヶ月で耳が聞こえなくなる。
このマウスに対して、非常に短い無音部分を挿入したノイズを1日あたり12時間聴かせ続けたところ、有毛細胞の死滅を抑え、脳幹や中脳などの機能も保持され、特に無音部分を検出する神経反応が鋭くなっていた。

これらの研究から、生まれつきの感音難聴の子供たちに対して、より優れた音響療法を提供できる可能性がある。

Adam C. Dziorny, Anne E. Luebke, Luisa L. Scott, Joseph P. Walton. Rescuing auditory temporal processing with a novel augmented acoustic environment in an animal model of congenital hearing loss. eNeuro 21 June 2021, ENEURO.0231-21.2021

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