October 14, 2022

BMIの実用化を大きく進めるゲル状脳波電極

(Credit: The University of Texas at Austin)

4週間連続で安定的に装着できるゲル状脳波電極が開発された

テキサス大学オースティン校により、頭皮に張り付いて長期間安定的に脳波を計測できる、ゲル状の電極が開発されました。これにより、ブレイン・マシン・インターフェイス(BMI)がより使いやすく、活躍の場が広がると考えられます。

ウェット電極とドライ電極の双方の特徴を持つ電極

ウェット電極とは、導電性のゼリーなどで電極と頭皮の間を満たし、電気の伝導度を高めた方式で、一般に脳波の測定精度が高いものです。しかし、ゼリーが乾いたり、使用後に頭を洗う必要があるなど、ブレイン・マシン・インターフェイスとしての実用を考えると使いにくい面があります。

一方、ドライ電極は導電性のシリコンゴムなどで電極が作られており、扱いやすい一方で信号精度がウェット電極よりは劣るとされています。

今回の新しい研究では、導電性高分子と水分を多く含む高分子を電極の材料として用いて、ゲル状の電極が開発されました。この電極では、髪の毛があっても皮膚に張り付いて、正確で長期的に安定して脳波を測定することが可能になります。

脳卒中のリハビリや、脳波で車椅子を動かすブレインテックなどに応用可能

脳卒中患者は、体を動かすリハビリを行ったり脳波を測定するために、医療機関やリハビリセンターに何週間も通う必要があります。この電極を使うことで、自宅でのリハビリが可能になり、改善効果をより高められる可能性があります。

また、車椅子や義肢を自分の脳波で動かすことにも応用したいと研究者は考えています。

この研究はBiosensors and Bioelectronicsに掲載されています。
A highly stable electrode with low electrode-skin impedance for wearable brain-computer interface

 

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