大人になると、言語や音楽を学ぶことは、年齢を経るごとに低下していきます。アメリカの研究者によると、脳の視床のある神経修飾物質の活動を抑制することで、聴覚学習の臨界期と言われる期間を大人まで伸ばすことに成功しました。
視床は、耳から入ってきた音の情報を、聴覚野まで伝達する聴覚神経系の中継地点の一つです。この実験では、大人のマウスに対して、この神経修飾物質を減らす、あるいは神経修飾物質の受容体をブロックしました。その結果、音に対する聴覚皮質の反応が強くなり、似た音を区別する能力も高くなっていました。
この結果から、人に対しても、臨界期を伸ばすことができる薬剤を開発できるかもしれないと研究者は述べています。