April 08, 2022

目が見えない人が、超音波で見えるようになる?!

網膜を超音波で非侵襲的に刺激することで、網膜の神経を活動させ、目が見えない人でも物を「見る」ことができる研究が進められています。

網膜の異常で目が見えない場合は、網膜を直接電気刺激すれば見ることができる

網膜の光受容体に異常があり、視力の低下や失明につながる病気は、世界で数千万人の患者がいると言われています。
その場合でも、目から脳につながる神経回路は問題がないため、網膜の神経細胞を刺激することさえできれば、見ることができると考えられています。

既に、網膜に電極を埋め込み、カメラ画像を電気刺激に変換して、網膜を刺激することで見るようにする装置が販売されています。
しかし、この方法は電極を埋め込むという侵襲的な手術をする必要があります。

超音波で網膜を刺激する

今回発表された研究では、盲目のラットの網膜に超音波を当てる実験を行いました。その結果、網膜の神経細胞が活性化したことと、その神経細胞からつながっている、上丘や一次視覚野といった脳の部位も活動することが確かめられました。
例えば、網膜を「C」の文字の形で超音波刺激を行うと、上丘に埋め込んだグリッド型のマイクロ電極で「C」の形が浮かび上がります。

研究者は、解像度や安全性の問題などをクリアして人間で使えるようにするために、超音波の周波数や刺激の頻度などの検証をおこなっていくと述べています。

目が見えない人に加え、一般ユーザ向けのディスプレイとしても考えられる

今回発表された研究は超音波を使うもので、電極を埋め込むといった侵襲的な方法ではありません。なので、多くの目の見えない人たちにとって光となる研究ではないでしょうか。

筆者は視力がとても弱く、失明したら怖いと思ったこともあり、こういった研究はありがたいと感じます。

また、研究としては視覚障害者向けですが、一般の方向けの簡易VR/ARとして使うようなブレインテック用途もありそうです。

 

 

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