April 15, 2022
あのSF映画が現実に?マイクロロボットで脳を治療する

マイクロロボットを脳に送り込み、送り込んだ場所で手術をしたり、薬剤を注入する技術が開発されています。
1966年のSF映画「Fantastic Voyage(邦題:ミクロの決死圏)」の世界が現実になりつつあるのです。
1ミリメートルのマイクロロボットを、磁石を使って脳内に誘導する
マイクロロボットの大きさは1ミリメートル程度で、スクリューや円錐形のような形をしています。このロボットは脊髄から挿入され、体の外部にある磁気コイルを用いて、脳の患部まで移動します。
この技術は、ドイツのマックス・プランク研究所と協力して開発されました。
ロボットを送り込んだ場所で局所的に治療を行う
脳の中にゴルフボールほどの大きさの嚢胞ができ、脳を圧迫して問題を引き起こすダンディ・ウォーカー症候群という病気があります。そこにマイクロロボットを送り込み、嚢胞を突き破るという治療法が考えられています。
また、悪性グリオーマ(手術不能とされることが多いがん性脳腫瘍)の治療のために、その部位だけに抗がん剤を直接注入する治療法も開発中です。既存の治療法では薬が全身に回るため、重篤な副作用をもたらすことがありますが、マイクロロボットを使うことでそれを回避できます。
これらの病気について、人間に対する臨床試験が2年以内に開始される予定です。パーキンソン病、てんかん、脳卒中などへの応用も検討されています。
侵襲的だが意外と堅実なブレインテックのスタートアップ
この企業では、羊や豚などの動物ですでにテストを行っており、安全であることを確認しながら開発を進めています。
脳にマイクロロボットを送り込んで操作するというのは、ちょっと怖いと思う人もいると思います。しかし、頭蓋骨を開けたり穴を開けたりする手術よりも感染症リスクが低いと想定されるので、手術・治療法の有効な手段の一つになる可能性に期待しています。
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