June 23, 2022

tDCSで脳を電気刺激してコミュニケーション能力が向上

自閉症の青年に脳の電気刺激と認知トレーニングを実施することで、社会性が改善された

14〜21歳の自閉症スペクトラム障害の人を対象に、経頭蓋直流電流刺激(tDCS)をしながらゲーム形式の認知トレーニングを行った結果、社会的コミュニケーション能力が向上しました。

自閉症の青年に対する脳の電気刺激と認知トレーニング

香港理工大学で行われた今回の実験では、頭の上に電極を置き、非侵襲的に脳に電流を流すtDCSが使われました。被験者は1週間のうち5日間、2週間連続して実験に参加しました。

実験では、脳の左背外側前頭前野に相当する頭皮にマイナス電極を、右眼窩上領域にプラス電極を配置し、1.5mAの電流を流しました。ゲーム形式での認知機能トレーニングは1日20分で、トレーニングをしている間中、電流を流します。

この実験では、電流を流す被験者と流さない被験者を用意し、二重盲検無作為化比較試験が行われています。

被験者の社会的機能が改善した

被験者の社会性の向上は、SRS-2対人応答性尺度を用い、実験の前後で比較されました。

その結果、脳を電気刺激した被験者は、社会的機能が有意に向上したことが示されました。また、この改善は、感情の認識と認知の柔軟性の向上と関連していました。

脳科学を取り入れ、一般の人の社会性を改善するブレインテックの可能性

今回の研究は対象が自閉症の方でしたが、同じ効果が一般の人にも得られるかもしれません。

tDCSは、定められた範囲内(電流の大きさや使用時間)であれば安全であることが繰り返し確かめられています。

非侵襲的な方法ですし、今回紹介した研究などの知見に基づき、社会人のコミュニケーション能力を高める製品につなげられるかもしれませんね。

今回ご紹介した研究はこちらです。
Neurophysiological and behavioral effects of multisession prefrontal tDCS and concurrent cognitive remediation training in patients with autism spectrum disorder (ASD): A double-blind, randomized controlled fNIRS study

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