ナノ波長（800nm）の光学刺激が脳血流を促進して健康増進

米国テキサス大学により、波長800nmの近赤外光を脳に照射することで、前頭前野の血流動態や代謝を高められることが示されました。

頭に近赤外光を照射するフォトバイオモジュレーション（transcranial photobio modulation; tPBM）

フォトバイオモジュレーション（PBM）とは、近赤外光を生体に照射して細胞の活動を促す技術です。骨や皮膚の再生・治療には取り入れられており、脳の機能障害に対する新たな治療法として研究開発が進められています。

今回の研究では、800nmあるいは850nmの波長の近赤外光が使われました。認知機能に関わっている前頭前野に光を当てるよう、額の位置にレーザーが8分間照射されました。

PBMにより脳の血流動態と代謝が促進。アルツハイマー病、パーキンソン病、脳卒中の予防・治療に役立つ可能性

PBMの結果、脳血管の外側の組織の血流動態と代謝の同期を高めることが分かりました。

脳血管に障害が起きると、動脈硬化や認知症、脳卒中などにつながる可能性があります。

PBMは、それら脳の病気の予防や治療法として役立つ可能性があります。

この研究はNeurophotonicsに掲載されています。
Site-specific effects of 800- and 850-nm forehead transcranial photobiomodulation on prefrontal bilateral connectivity and unilateral coupling in young adults