June 29, 2023

腸に電気刺激でドーパミン、満腹感?!

Nature Biotechnologyに掲載された論文で、腸を光遺伝学を用いて刺激することで、脳のドーパミンを放出させたり満腹感をコントロールできることがマウス実験で示されました。

腸から脳につながる神経回路を光遺伝学で刺激する

腸と脳をつなぐ神経回路があり、脳から腸を制御するだけでなく、腸から脳へ信号が送られていることが分かってきています。

マサチューセッツ工科大学の研究者らは、マウスの腸の神経細胞を、光を用いて刺激する光遺伝学を用いてコントロールする技術を開発しました。髪の毛ほどの細さのポリマーのファイバーで、腸に挿入することができます。

腸を刺激して脳のドーパミンを放出

迷走神経に入力する腸の神経を刺激することで、ドーパミンを放出する腹側被蓋野と呼ばれる脳部位を刺激したときと同様の、報酬を求める行動を誘発することができました。

腸を刺激して脳に満腹感をもたらす

また、満腹感をもたらすホルモンであるコレシストキニンを分泌する細胞を刺激できることも分かりました。数時間絶食させていたマウスのこの細胞を刺激すると、満腹ではないにも関わらず、食欲が抑制されることが示されました。

このように、腸を刺激することで、脳の活動をコントロールできることが確かめられました。

腸を刺激する低侵襲のブレインテック

Neuralinkなどの企業は、脳に直接電極を刺し、測定や刺激をする技術の開発を進めています。

一方で、この研究のように腸を刺激する技術は、直接臓器に刺すとはいえ、脳に直接刺さない方法であり、今後の発展を期待したいです。

 

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