(動画の15:35を参照)
今回、人間を対象とした実験結果の発表をするかと思われていたが、会場に現れたのは3匹のブタだった。
1匹目のブタは脳へのインプラントなしで、他の2匹との比較用である。
2匹目は今回発表された新しいデバイスを2ヶ月間埋め込み続けており、長期生体適合性や、安定して信号が取り出せていることの実証デモである。
3匹目は埋め込んだ後に取り除いたと紹介され、それでも問題なく元気に動いており、可逆性がある(埋め込んだり外したりしても問題ない)ことを示すためのものである。

会場のディスプレイには、デバイスを埋め込んだブタから計測した神経信号がリアルタイムに表示されており、ブタが何かに触れると神経活動が高まることが見て取れた。

(動画の18:20を参照)
また、実験室での検証では、神経信号から推測した足の関節の角度と、実際に計測した信号が高い精度で一致していることも示された。

デモではブタを使っていたが、今後は人間を対象とした臨床試験に望む。FDAからBreakthrough device(画期的装置)の認可を7月に受け、人間を対象にした臨床試験は現在進めているところである。

今回の発表では、主に電子回路と手術ロボットがアップデートされたようである。
2019年版では、耳の後ろに電子回路部分を埋め込み、そこから伸ばしたワイヤーで埋め込み電極と接続する方式としていた。
2020年版では、装置はTHE LINK(バージョン0.9)という名称で、電極、電子回路、バッテリーなどが一体化され、直径23mmのコインサイズに小型化された。これを、耳の後ろではなく電極を刺す場所の直上の皮膚の下に埋め込む方式になった。

1つのLINKで1024チャネルの神経信号を計測するのに加え、3軸の角度と3軸の加速度、温度や圧力なども計測できる。信号はワイヤレスで伝達し、通信速度はMbpsのレンジ、通信できる範囲は5〜10メートル(bluetooth)である。充電もワイヤレスでできる。

LINKを埋め込む手術では、皮膚をめくり、頭蓋骨に穴を開け、電極を挿入した後もとに戻し、装置全体は皮膚の下に隠れて見えなくなる。
この手術は、新たに開発されたロボットにより完全自動で行われる。
ロボットは、血管を自動的に避けて電極を埋め込むため、出血もないということが発表された。
更に、手術に要する時間は1時間未満で、その日のうちに退院できるとも説明されていた。

今回の発表の目的も、2019年と同じく、仲間を募ることを目的としている。

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