September 01, 2022

電気刺激で神経の配線を直し、脳を修復する

神経繊維に電流を流すとミエリン鞘が修復され、筋肉の萎縮や体の麻痺などの病気の治療に役立つ可能性がある

韓国の大邱慶北科学技術院(DGIST)などの研究チームにより、神経繊維を電気刺激することで、神経細胞の軸索を包んでいるミエリン鞘の成長を促進することが分かりました。ミエリン鞘は、神経インパルスを伝達するために重要な要素で、ミエリン鞘が失われると筋萎縮、しびれ、麻痺などにつながります。

神経への電気刺激は、こういった病気の治療につながる可能性が示唆されました。

20Hzの電気刺激がミエリン鞘を最も修復する

この研究では、マウスの神経細胞を取り出し、培地で電気刺激が行われました。

電気刺激をした神経細胞は、電気刺激を行わなかった神経細胞と比較し、ミエリン鞘が成長した神経繊維が多く、またミエリン鞘自体も長くなっていました。さらに、最も効果的な周波数は20Hzということも分かりました。

電気刺激により、ミエリン鞘の合成に関する遺伝子が活性化されることも確認されています。

非侵襲で電気刺激をして脳を修復するブレインテックの可能性

今回紹介した研究は、培地上で電気刺激をしたものなので、そのまま応用できるかは分かりません。

一方で、神経細胞の活動を活性化することでミエリン鞘の形成が促進されることや、非侵襲的な方法で脳を刺激することで脳機能が回復することは、研究により明らかになりつつあるようです。

非侵襲的な電気刺激法を、ミエリン鞘が原因の病気の治療に役立てられる可能性は高そうです。

この研究はBiofabrication誌に掲載されています。
An electroceutical approach enhances myelination via upregulation of lipid biosynthesis in the dorsal root ganglion

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